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今後のRWBYを予測:モチーフはクジラ

 Vol.2は無事終了し、rwby.jpにおいてオフィシャルジャパニーズファンブックの存在が発表されるなど、昨年度のRWBYはより一層の盛り上がりを見せた。残念ながらこのファンブックについては通販とか公式日本語吹き替え版の付録にするとか再販するといった、今後の見通しは未定のようだ。ワーナー内部の担当者さんもさぞお辛いことでしょう。

 しかしここで、Vol.3を含むそれ以降のRWBYのストーリーがどのように展開するのか、俺の頭の中で一つの見通しが立ったので書いてみたい。

 率直に言って、クジラをモチーフとしたキャラクターが登場する。それも、おそらくはグリムとして現れる。

挙げられる根拠は7つある。

 

■第一の根拠:『ピノッキオ』

 『ピノキオ』由来のキャラクターがすでにいることだ。みんな大好きローマン・トーチウィックと、最終兵器少女ペニーちゃんだ。それぞれロメオ・ランプウィックとピノキオではないかと目されている。一度『ピノキオ』の筋を少し追ってみたい。主人公のピノキオは物語が進む中、大きなクジラに飲み込まれ、しばらく腹の中にとどまったのち吐き出される。旧約聖書のヨナ書でも同様の展開があり、預言者ヨナは神の言葉を預かったがそれを伝えることを拒み、神の遣わした嵐や大魚といった混乱に飲まれ、やはりしばらくの後に吐き出される。興味深い共通点として、ヨナもピノキオも吐き出されたのちに大きな変化を迎えていることが挙げられる。ピノキオは人形から人間の子供になり、ヨナは神の言葉を伝えることにしている。やや脱線するが、「(巨大な動物の)内臓の中」というのは変身を暗示しているのだ。たとえば『進撃の巨人』ではエレンが巨人に飲み込まれ、自らも巨人と化して巨人をぶっ殺すシーンがあった。我々が食べたものは栄養となって最終的に排泄物となるし、子宮の中で胎児は魚類から両生類、そして人類への長い進化の旅をおよそ10ヶ月に圧縮されて体験する。加えて言えば、出産を控えた女性の胎内は原始の海に近い成分組成であるそうだ。今日までにRWBYはとにかく海をほのめかしている。

 

■第二の根拠:海運事業

 Vol.1 ep15にてサン・ウーコンくんが密航してヴェイルにやってくるシーンがあった。この事からレムナントには船と港があり、その後のep16におけるサンとブレイクの会話から、国家間で――俺個人の推測に過ぎないがおそらくは――海運事業が行われていることがわかっている。出してくるからには、海は無視できない要素の一つのはずだ。これは第三の根拠に関わってくる。

 

■第三の根拠:水中に棲むグリム

 これまでに都合28話(World Of Remnantが4回、プロダクションダイアリーが4回は省くこととする)が公開されているが、魚介類などの水棲グリムは未登場である。Vol.2 ch11およびch12で提示されたが、ハンター達の存在があってなお、人類の生活圏にグリムは入ることができるのだ。にも関わらず、水棲グリムの存在はこれまでに言及されたことさえない。すなわち出る可能性はゼロではないが、出ない可能性も同じだ。いるのだとした場合、ep15でヴェイルの港に到着した船には目立った傷もない。護衛を務めるハンターが同乗していたか、水棲グリムは船を沈めるほどの脅威にならないか、たまたま船を襲わなかったのかもしれない。商船には海賊などから守るために武装した護衛船がつくものだが。これらについては憶測にまみれているので割愛する。

 

■第四の根拠:"Beacon"という語

 今のところ主な舞台となっているのはビーコンアカデミーだが、そこにビーコンという名前が含まれていること。Beaconとはいかなる意味か。英辞郎 on the WEBによると次のようになる。


beaconの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク

複数の意味や用例が列挙されているが、つまるところ『灯台』だ。灯台は主に、海沿いに立って暗い海を行く船のために光るものだ。これも海に関連付けられる。もちろん、航空機に出すサインとしても活用されるが。

 

■第五の根拠:『白鯨』

 さきほど、『ピノキオ』には大きなクジラが登場すると述べた。他にもクジラの登場する作品は数あるが、ここでハーマン・メルヴィルによる小説『白鯨』を挙げたい。なぜ白鯨なのかは理由がある。一度その筋を追うこととする。捕鯨船ピークォド号の船長である老人エイハブはかつて遭遇した体の白い鯨、通称モビーディックによって片足を失い義肢での生活を余儀なくされた。それから年を経た現在、彼が執念と復讐の炎を燃やし、船員を率いて鯨との死闘を演じる様を乗組員の一人イシュメールの視点で描いたものだ。RWBYには義肢を使っていると思われるキャラクターはアイアンウッド将軍その人しかいないし、彼は艦隊を率いてもいる。リアルに艦これやってる提督だ。さて、劇中のモビーディックはどのような姿なのか、wikipediaから引用すると次のようになる。

白鯨 - Wikipedia

なお、本作の白鯨は全身が白くアルビノであるかのような印象を与えるが、新潮文庫田中西二郎訳『白鯨』(上)では「いちめんに同じ屍衣(きょうかたびら。死装束)色の縞や斑点や模様がある」という記述がある。マッコウクジラは加齢とともに、捕食するダイオウイカなどにつけられた白い引っ掻き傷が増え、一部の老齢個体の体色が薄くなることもある。

まとめるとモビーディックは巨大にして体色は白く、極めて知能が高いためエイハブ船長らをたびたび翻弄する、というのがどの訳でも共通している。

 

■第六の根拠:グリムの性質

 WoR:3ではグリムは歳を重ねるほど慎重で狡猾になる性質があると言明された。


RWBY Volume 2, World of Remnant 3: Grimm - YouTube

そして、Vol.2の円盤を買われた方はその本編中のスタッフコメンタリーをご覧になっただろうか。そこで明らかになった情報は非常に多いが、そのうちの一つが「グリムの体の白い面や甲殻、トゲや角などはそのグリムのレベルを表し、多いほどレベルが高い(Size and amount of armor is an indicator of grimm levels)」ことだった。

User blog:Zephyrcoil/RWBY Volume 2 - RWBY Wiki

ということは、全身が白くなりでもすればとんでもなく老齢で知略に長けたグリムということになる。

この2つの事実に、先に挙げたモビーディックの特徴は合致する。

 

■第七の根拠:ペニーの仕事

 Vol.2 ch4にてペニーは「いつか世界を救う仕事をする」と言っている。これに対してルビーは現状はまったく平和であるとしているが、この時ペニーの言葉を通して、おそらくその仕事を言いつけただろうアイアンウッドはそう思っていないことが明らかになる。いったい何から世界を救おうとしているのか?別の記事では、シンダーさん一行から世界を救おうとしていると書いたが、ペニーの超火力ビームはただ単にシンダーさん一行に向けるにはややオーバーキルだ。そも飛行船を真っ二つに焼き切るほどの出力である。いかにシンダーさんが防御に長けていても、あんなビームは人類に向けていいものではないはずだ。あれは人間以外の何かに対してぶっ放す兵装である。


RWBY Volume 2, Chapter 4: Painting the Town... - YouTube

 

■結論

 長々と続けたが、つまり、こうだ。Vol.3以降はペニーちゃんとモビーディックが戦闘するシーンが入り、彼女は飲み込まれる。そして、かつてアイアンウッド将軍はモビーディックと戦闘し、腕を食いちぎられた。そしてこれほどの脅威を放置できず、対抗策としてペニーちゃんという超火力を作りだしたのだ。飲み込まれたペニーちゃんにはしばらくの後に何か大きな、避けられない変化が訪れる。おそらく、彼女は公的に「人間」として認められるのだ。もとよりグリムは人間を食べる性質があるが、ペニーちゃんはグリムに食われるということは、人間だと認識されていることの証左だ。嬉しいような、悲しいことような……。

さて、彼女が人間になるのならば、『ピノッキオ』の筋に沿って彼女の機械の体がより人間らしい部品に置き換わるかどうか、物理的な問題はともかく、人間とはなにか、人間をどう定義するかという難問がここでのしかかる。これについては諸説あるが、SF作品においてはとても高度に発達し感情を備えた人工知能はもはや人間以上であるか、あるいはもう人間そのものでいいんじゃないか、とされる事さえある。満ちてく未知へとさあ旅立っ……てしまうかもしれない。でもデイジー……デイジー……とか歌ったり開発初期の頃の記憶を思い出したりはしないかもしれない。いずれにせよ、ペニーちゃんの行く末に幸多からんことを。

新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)

新訳 ピノッキオの冒険 (角川文庫)

 

 

 

白鯨 (上) (新潮文庫 (メ-2-1))

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