okaa-tyannmatigaenn3naのブログ

一介のおたくが好きなことを好きなように書きます

RWBY考察 ローマンとクロウ、武器と世界設定、"Black"トレイラーと16話について

【前置き】

この記事は、すでに本編のエピソード16までを観終えた人が読むことを想定して書かれています。したがってネタバレが容赦なく入っています。これに加えて、無理やりこじつけるような記述も多いです。

また、宗教というデリケートな話題についての記述がありますが、やや穿った見方が含まれていると思われます。あと、俺には文才がないのでとても長いです。まともに読むと時間食います。以上のことがらに納得できた方は閲覧してください。何か気になる点などありましたらコメントにてご一報ください。

【前置きここまで】

 

 

 

 ●なんだこの記事!?凄ェ長ェぞ!?

エピソード16が無事に着地し、シーズン1の前半が終わり、あと9話分が残っているところで現状での謎、およびそれに付随する小ネタについて言及してみたいと思い書きました。

RWBY(ルビー)って何なんだよ知らねーよ!という人はまずYoutubeのRooster Teeth公式チャンネルを探ってください。で、そこの再生リストにまとめてあるRWBYを見てください。最初は"Red" "White" "Black" "Yellow"の四つのトレイラーを観ましょう。

気に入った?ではそのまま本編のエピソード1をどうぞ。言葉がよくわかんなくてもキャラクターの細かな仕草一つ一つで大筋が伝わるその凄さを思い知りましょう。

ハマりましたか?ではもうすぐ発売されるブルーレイやサウンドトラックを買いましょう。ブルーレイは四つのトレイラー+本編エピソード1~16まで+ファンアート+英語字幕+制作スタッフによるオーディオコメンタリーで構成されています。サウンドトラックについてはデジタルメディアがアマゾンやiTunesで、CDは公式直販RT Storeで販売されるそうです。

一介のファンによる露骨なマーケティングは以上です。

 

 

 

●ローマン・トーチウィック(Roman Torchwick)と子供の成長

たびたび登場しては何か悪巧みをしているらしいオレンジ髪メカクレの彼について書くことから始めたい。

彼のモチーフはピノキオに登場するロメオ・キャンドルウィック(ディズニー版映画では名前がランプウィックに変更されている)だ。かわいらしいクマのぬいぐるみが妙におっさんくさい下ネタを連発しながら幼い頃からずっと一緒にいる人間の親友と二人暮らしを続ける映画『テッド』で描かれたように、彼は心が子供のままなのに飲酒や喫煙など大人のすることを覚えて体だけが大人になりつつある、あるいはなってしまった少年だ。

翻ってトーチウィックはどうか。ボーラーハットにハーフコートに杖に葉巻、長手袋や首に巻いたスカーフと、いかにも小さな男の子が古い映画スターなんかにあこがれたとき一度は試したくなるような小洒落たパーツをドンと盛り込んでいる。俺もそういうクチだ。うさんくさい紳士って感じが伝わってくる。

これは彼の心が子供のままであることの示唆なのか、この組み合わせが洗練されているようでいて実はちょっとちぐはぐなように見える。

(服飾関係にはあまり詳しくないので、これについてはその道の人にぜひ補足やご指摘をいただきたい。確かキャラクターデザインのEinleeさんはそういうのに通じたとてもおしゃれな人だったと思う)

そして心が子供のままなので、やっぱりいたずらが好きなのか犯罪に手を染め一度投獄されているが、脱獄してもまったく凝りずに手下を集めてダスト屋を襲撃する。ニュースでも悪びれずにニヤニヤしながら写真を撮られている。これがエピソード1だ。

彼はこれまでエピソード1、8、16と8話ごとに登場してきた。となると、8の倍数話に彼が登場する法則があると見ていいだろう。

 

 

●トーチウィックの出現パターンと今後のエピソード展開

そういえば本編でも8話ごとに大きな区切りを迎えている。主人公ルビー・ローズがビーコン・アカデミーに入学し、さまざまな仲間と出会い協力してエメラルド・フォレストでの試験を突破し、チームRWBYとJNPRが結成される。

(ただしCDRL、おまえらはせめていじめっ子でなければ気に入ったかもしれんのが残念だ)

個性的な教師陣による講義からファウヌス(獣人種族)の差別問題が浮き上がり、JNPRのリーダーであるジョーン・アークは、これに関連して自身に降りかかった災難を退けるために奮起し成長を遂げ、チームRWBYは差別問題のために一度分裂の危機を迎えるが和解して再びまとまる。

この、8話で一区切りとする構成はなかなか素晴らしく、実にテンポよく話が進む。四捨五入すれば2.7話ごとに序・破・急が組めて、その0.7話分のエピソードが実に巧妙な引きとして機能するのだ。そんなものを見せられた側は山のように高まっていく期待の崖を前に「次に掴める場所はどこだ!」と必死でしがみつかざるを得ない。まさにクリフハンガーだ。

畑に種を撒くようにじわじわと伏線や短いコメディを撒きながら、しかしそればかりにかまけず着々と話を進め、痛快なアクションと爽やかなエンディングをとどめの一話に持ってきて締める。そして8話でローマンがいろいろと書き込まれた地図を見ながら「もっと人員を集めなくては」とかぼやいたり、16話でCinderさんとどこかの倉庫で明らかに尻に敷かれてそうに話をしたりと、意味深な続きを匂わせながら一段落するのだ。

ところで共同監督(Co-Directer)のKerry Shawcrossさんによれば、16話が終わった段階でシーズン1に残されたエピソードは9話分あるという。ということは16+9=25で、シーズン1は全25話だ。したがって、おそらく次にローマンが登場するのは8×3=24でエピソード24だ。しかしこれでは1話分余る。ということは、ローマンが登場して何か行動を起こしただけではこれまでのように美しく収まらないような、何か大きなイベントが発生するのだろうか。16話の最後に登場した赤い炎の魔法使いCinderさんは彼のために大きな舞台を用意しているという。

(あの股間によくないセクシーな声を出してるのがあのJessca Nigriさんという事実にはぶったまげたぜ!)

 

 

●クロウ(Qrow)おじさんは何者なのか?

さて、そんな巧妙な構成のRWBYだが、今のところ謎があまりに多すぎるキャラクターが一人いる。エピソード1以来ルビーが言及するだけで音沙汰のなかったクロウだ。聞けばMonty Oumさんが声を当てるらしい。レンだけでは足りないのだろうか。その貪欲な姿勢にぼくは敬意を表する。

彼はエピソード16では"Queen has pawns"と意味深なメッセージをオズピンに送っている。何かの暗号だろうか。

クイーンとポーンと言えばチェスの駒だ。ポーンは前に1マスだけ進める駒だが、これがゲーム盤の相手陣地の端まで到達すると、クイーンという文字通り縦横無尽に動ける凄まじく強い駒に化ける。

そして、オズピンが生徒に課したエメラルドフォレストでの試験内容はチェスの駒を持ち帰ることであり、無事持ち帰ったチームにはナイトやルークなど、何の駒を取ったか告げている。そんな試験の締めとなるエピソード8のタイトルはPlayers and pieces(競技者と駒)だ。そしてオズピンは自身を「私はおそらくこの星の誰よりも過ちを犯している」と評し、彼と長年の付き合いがあるポート教授はオズピンについて「彼が判断を間違ったことはなかった。私は彼を信頼している」と言っている。ついでに言えば、グリンダ先生のケープには王冠が描かれている。つまり、生徒をまとめる統率力のある彼女がキングだ。

このことから、この人間チェスのプレイヤーはオズピンであり、ビーコンの生徒や教師は駒であることが読み取れる。その対戦相手プレイヤーが誰なのかはわからないが、少なくとも"クイーン"に当たる人物の様子をクロウは監視していることになる。でなければあんなメッセージは送れないはずだ。

そんなことのできるクロウはいったい何者なのか?ルビーの叔父であり、彼女が過去に在籍していたシグナル・アカデミーの教師で、クレセントローズの扱いや戦闘技術を教えたという人物だ。ハンターを養成する各アカデミーでは、豊富な経験を積んだプロのハンターがそれぞれの得意分野をもとに教鞭をとっている。グリンダ先生のムチで叩かれるとめちゃめちゃ痛そうだ。なめてはいけない。

ところで、彼の姪っ子である主人公ルビー・ローズのモチーフは『赤ずきん』だ。大筋をおさらいしておこう。

両親のおつかいで祖母のところへ向かった赤ずきんちゃんは、道中狼に誘惑されるがこれを避けて進む。そして先回りしていた狼によって祖母もろとも丸呑みされてしまうが、狩人(あるいは木こり)が狼の腹をハサミで切り裂いたことで二人とも救出される。ちなみに狼は腹に石ころを詰め込まれ、そのまま傷口を縫われて池に落ち溺死する。

『男は狼なのよ 気をつけなさい 年ごろになったなら 慎みなさい』と古い歌にもあるように、赤ずきんは年頃の女の子に対する訓話の機能がある。実際にエピソード3のルビーの言によれば、彼女の父親は「自分の娘が見知らぬ男子と同じ部屋で一泊する」というのには反対するような人物である。正しい人だ。

もっと言えば新約聖書のマタイ伝には「偽予言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたの所に来るが、その内側は貪欲な狼である」ともある。

家畜を食い荒らし、人間をも襲う死の象徴であるのが狼だ。これに対し、ギリシャ神話における運命の糸をつむいで切る三女神モイライの内、断ち切る女神アトロポスはハサミを持っている。彼女はハサミで糸を切ることでその糸を持つ人間の寿命を決めるのだ。そんな死の象徴であるハサミによって、狩人は狼に死をもたらす。

そしてルビーのテーマ曲の続編であり、エピソード8で使用されたRed like roses partⅡ(以下Rlr2と表記)の歌詞を見てみよう。詩の主人公は大切な人がいたが、ある時その人は主人公を生かすためになくなった。主人公はそのために苦しみ、深く濃い闇が迫りつつあることを感じながらも、その人の足取りを探ろうと決意を固めるのだ。

以上のことから配役を読み取るに、

ルビー=赤ずきん

狩人(ハンター)=クロウ

祖母=Rlr2の"You"=ルビーの大切な人

と推測できる。

 

 

●クロウの武器は?

RWBY世界ヴェイル(Vale)では、火器と近接武器を合わせた超絶かっこよくてロマンにあふれる多段変形武器がポンポン登場するが、上記の配役からクロウの扱う武器を推測する。

それはおそらく、とてつもなく巨大なハサミだ。乱暴に言ってしまえば、『キルラキル』『断裁分離のクライムエッジ』『ローゼンメイデン』『謎の彼女X』『物語シリーズ』などに代表されるような、ハサミがキーアイテムになるアニメの流行に乗るのだ。裂けた狼の腹に石ころを大量に詰めたという元ネタからして、散弾銃が仕込まれていそうだ。つまりハサミ+散弾銃である。

そんなデタラメな形状を実現するにはレバーアクション式の散弾銃しかない。その条件を満たす散弾銃は、映画『ターミネーター2』でアーノルド・シュワルツェネッガーがかっこよく振り回したウィンチェスターM1887が有名だ。

よってその仕組みは、ハサミを開いて閉じることでレバーが動いてリロードされ、同時に対象を切断できる、というものになるだろう。ハサミでかっさばいた土手っ腹に近距離から容赦なく散弾をぶっ放すのだ。グリム殺すべし、慈悲はない。臓物をぶち撒けろ

どうだろう、俺の予想の範疇を出ないがこれもロマンあふれる武器ではないだろうか。たぶんこれが一番かっこいいと思います。

しかもクロウは、大鎌とライフルを組み合わせたあのクレセントローズとかいう執念じみたロマンの塊みたいな武器の扱いを教えられるというのだから、その形状は鎌を2つ重ねたようなハサミになるだろう。

古代漢字学者の白川静によれば漢字の「父」は、家長が持つ力の象徴である斧(あるいは鎌)を持った手、ないし鎌を2つ重ねた形であるという。ここに、その鎌を振るえる者は、それだけの力を操れる証と責任(Badge and burden:エピソード9および10のタイトル)を負っている、ということが現れている。

父は一家を率いるリーダーである。彼は家族が作ったムラの外という危険な世界に飛び出し、斧や鎌を用いて動物や木の実などの獲物を狩ってこなければならない。あるいは一家の誰よりも多く作物を収穫せねばならない。ひとえに家族にメシを食わすためである。父ちゃんありがとう。そんな親を見て育った子供たちが今度は親になる。

昔は若きハンターだったろうオズピン教授が今は学長の座に収まっているように、上に立つ者が証と責任を負うサイクルがこうして続くのだ。

そういえばオズピン教授がよく持ち歩いているマグカップにあるように、ビーコンアカデミーの校章は斧をちょうど「父」の字に2つ重ねてある。以上のように考えると、ハサミはまさに叔「父」にふさわしい武器だ。

 

 

● RWBY世界ヴァイタルの成り立ちとそこにある武器

斧は歴史の古い武器で、石器時代にはすでに石斧というものがあった。ギルガメッシュ叙事詩でも怪物にして森の番人フンババの棲まう森から木材という資源を切り出すために、ギルガメッシュとエンキドゥは斧を用いたという。斧、あるいは鎌には『自然を切り拓くもの』『収穫するもの』というイメージがついて回るのだ。おヒゲの素敵なポート教授の得物も斧にラッパ銃を組み合わせたもので、かつて彼(あるいは彼の祖父)はこれでベオウルフ(狼型グリムの怪物)を退治したという。

ギリシャ神話のクロノスは元々大地の神かつ農耕神であったが、同時によく似た名前の時の神もいた。彼は大きな鎌を持ち、実りの秋(Forever Fall:エピソード12)を迎えたら、育った作物を刈り取って「収穫」する。食料の獲得方法からして、季節という時間をいつも気にしなければならない農耕民族の宗教では、農耕神にしばしばこうした死のイメージが付与されることがある。より効率よく食料を手にするため、畑を拓き田を広げ、交配させ品種改良を加え、道具を改良する。農業は自然をコントロールすることが最終的な目的と言ってもいいだろう。

ときに、親愛なる我らがRooster TeethのRWBY制作チームがどんな宗教を信じておられるか分からないが、仮に彼らがアメリカ合衆国に広く敷かれたキリスト教徒であるとしよう(どうか無礼をお許し願いたい)。

神話学者ジョーゼフ・キャンベルによれば、荒野と砂漠が広がり人間には過酷な環境である中東で生まれたせいか、キリスト教は自然と対立する宗教であるという。

そんな環境で生まれた彼らにとって、信仰の対象となる『主はとこしえの大岩(Rock of ages)である』のだ。他の神々に脅かされるものであってはならない。ここに生存欲求も手伝って、だから異教の地には宣教師を送り込んで文化的な侵略もし、いざとなれば軍隊を用いて戦争だってやる拡大路線をとる。

千年の王国を実現するためにあちこちを開拓し、なんとも絶好のタイミングで産業革命が始まる。中東から始まった波が欧州の白人に伝わり、大きなうねりとなって彼らはメイフラワー号(あるいはニーニャ、ピンタ、サンタマリア)に乗り込み最後のフロンティアであるアメリカ大陸に到達した。そうして現代に戻ってくる。

そんな、荒れた土地に種をまくような作業を、西暦がはじまって以来2000年以上ずっと続けている。芽が出たら手塩にかけて育て、その恵みに預かり進歩させ、それを邪魔する害獣は斧で叩き斬って猟銃で撃つのだ。

これがエピソード1の冒頭で語られるヴァイタル創世神話のプロットである。まんま人類史で旧約聖書の一節だから驚くが、ジョーゼフ・キャンベル御大に言わせればごく当たり前のことだろう。闇の中で(From shadow:"Black"トレイラーのテーマ曲)塵から生まれたヒトは獰猛なグリムの怪物たちに襲われ、最初は無力だった。だが塵(Dust)も積もれば山となるように、ヒトの知恵と技術が結晶したダストという光によってこれを退け、ヴェイルに代表されるような王国を築き、生活を手にしたのだ。

奇しくも、ヒトの発明の中でも最初のブレイクスルーは熱と光源である火を携帯・管理する『松明』であったという。松明が完成したことにより、ヒトは闇を照らし獣を退け、輝ける灯台(Shining beacon)や信号(Signal)を作り上げてさらに遠くまで行けるようになった。そのことを自覚してか否か、エピソード7でジョーンとピュラのペアが洞窟に入った際にも松明が登場する。彼らの場合、遠くまで行った結果デスストーカー(サソリ型グリムの怪物)に遭遇し、そもそも入り口にはその警告ととれる意味深な壁画があったのだが。

 

 

●人間と自然(動物)の関係

さて、獣人団体ホワイトファングやチームRWBYの一員ブレイク・ベラドンナのモチーフ(それぞれジャック・ロンドン著『白牙』、そして『美女と野獣』)がその過程で生じたであろう「人間と動物の衝突・交流」を軸にしているため自然とそうなるのだが、あえてこう書く。

そうした『人間は自然を切り拓いて人間の生活圏を広げる』姿勢が、作中の「一部の獣人と人間が対立している(していた)」という設定ににじみ出ているかもしれない。

作中の獣人は野生動物を思わせる敏捷性に優れ、暗視能力といった高い身体能力を持ち、おまけに知能に関してもヒトとまったく変わりない。ぶっちゃけスペックから言って思いっきりヒトの上位互換だ。そんな彼らと人間が衝突したとき何が起こったか?人間による差別と、それに端を発する戦争である。その影響か、人間社会の中でも強い財力を持ったエネルギー産業大手のシュニーダストカンパニー、およびその創設者の家系であるシュニー家の親族が襲撃されている。その跡取りのワイスお嬢は実に気丈である。いつか里山開発が目指すように、動物にとっても人間にとっても、お互いに住みよい環境が作れると信じたい。シュニーダストカンパニーの財力で!

今でこそ新しいリーダーのもとに、ホワイトファングは作中の歴史でも人間がそうしたであろう拡大路線を続けているが、ブレイクはその必要以上の暴力をよしとせず組織を抜けた、というのがBlackトレイラー公開当時(2013年3月22日)から撒かれ、16話(2013年11月08日)でやっと回収された巨大なプロットである。回収されるまで長かったよ!待ってたよ!すごくすっきりした!

ひょっとしたらエピソード15で失踪したブレイクをヤンが探す場面の一つが"Yellow"トレイラーなのかもしれない。ヴェイル市内で表・裏の社会にまで通じてそうな事情通って、顔面殴られると軽く10メートルは吹っ飛ぶようなヤンのパワーで股間がヤバいかわいそうなジュニア・ション(Junior Xiong)さんくらいなのだろう。

(余談だが、パンチ力には腕の筋肉と背筋のほどよいバランス、そして何より握力が密接に関わっているそうだ。ヤン姐たまんねえ。)

風営法に引っかからない健全なお店でも時として摘発されるほどらしいし、クラブという場所はそれほどいろんな事情を抱えた人が集まる場所なのだろうか。あまり悪いイメージを持ちたくないので詳しい人教えてください。

 

◆おわりに

素人が知った風な口を利いて宗教がどうとか人類史がこうとか書いたが、それでも今のままで興味深いから、ぜひRWBYの制作に関わっているみなさんには、そのまま自分の思う道を突き進んでほしい。この記事が恐れ多くもあちらに読まれているとは思えないし、この程度の考察は本家RWBYwikiを編集するユーザーたちによってすでに書かれているだろうけれど。 

長々と書いたが、とにかく、まとめに入る。このようにRWBYはこうして元ネタを探すだけでも楽しい上に、どっぷりと深い思考の海に浸かれる懐の広さを提示している。しかも前述のとおり、毎回安定してお話が面白いというのだから末恐ろしい。これからも行く末を見守りたい。

こうして、俺のRWBY考察文章というダストが完成した。

 

 

執筆にあたって参考にした作品

甲田学人著『断章のグリム』第5巻・および6巻

同シリーズは童話をモチーフとし、象徴学・民俗学的なアプローチで読み解くホラーである。『赤ずきん』を題材とし、それについての興味深い考察・および解説があるので参考までに。

◆ジョーゼフ・キャンベル著『神話の力』

まだ読んでる途中だがデタラメに面白い。さまざまな物語を読みまくり聞きまくって咀嚼した男の語りは、やはり滋養があって引き込まれる。そんな男が見つけたあらゆる民族の神話に共通する、全人類のための壮大なプロットとは?

◆HISTORYスレ保管庫(http://historylog.r.ribbon.to)

人類史・宗教史・文化史・技術史・考古学、言語学などの知という知が高い完成度でぎっしりと編み込まれた壮大な物語。歴史ってシロモノ自体がまだ未完の物語なんだけどね。誰かこれの続きを書いてください。

◆イエルク・シュタイナー著『ぼくはくまのままでいたかったのに』

動物の知らぬ間に切り拓かれた自然とそれを酷使する人間、という構図。宇多田ヒカルの歌みたく「ぼくは車じゃないよ」とか「ぼくの前世はきっとチョコレート」とかかわいらしいことも言ってられない。ヒゲを剃れとか言われたりよくわからんキツい仕事を上司から与えられるのだ。現実は非情である。ヤンにクラブ荒らされて股間握られぶん殴られたジュニアさんの半生が透けて見えるようである。

◆BONES制作『天保異聞 妖奇士

膨大な天保時代の資料をもとに描き上げた江戸は、見た目は地味だが史料的な意味で実にゴージャスなアニメ。白川静の漢字研究を作中に織り込み、古代と江戸と現代日本の風俗にはさほど違いがないことを示してみせた。おっさんが主人公のアニメはだいたい面白い法則に合致する。ZOEドロレスとかガングレイヴとかだ。

◆BONES制作『STAR DRIVER 輝きのタクト』

剣を持つことを許された少年たちとそれに伴って成長の証として施される刺青(シルシ)、王あるいは皇帝・巫女・戦士の構図、閉じた世界からの脱却・抑圧されたリビドーなど、おそらくテレビアニメ版エウレカセブン以来ずっとボンズのアニメが思い出したように提示してくる「神話の構造」についての示唆を盛り込みながら、思春期の少年が解決すべき命題を学園モノとして美しくまとめあげた傑作アニメ。サントラもすごくよかった。

ピンク・レディー『SOS』

その昔NHKで「アリスSOS」というオープニング映像がやたらすごくてクイズだらけのアニメが放送されていてだな。